みなさん、こんにちは。
株式会社エクセルプラン 代表取締役の荒木秀夫です。
デジタル遺品と聞いて、何となくは分かるけど実際のところは・・・
そうお思いの方に、”どんなものがあるのか?” ”どんな事に注意しなければならないのか?” について、
今日はお話したいと思います。
故人が残されたものは、全て遺品となるという事は以前にもお話ししたと思いますが、
家財道具や小物・衣類等の目に見えるものだけとは限りません。
以下のものはデジタル遺品として分類され、目に留まることが難しく、
また、故人が遺言として残さず、ご遺族も分からないまま放置されるケースがありますので注意が必要です。
・デジタル機器(パソコン・スマートホン)に保存されたデータ
・インターネット上の登録情報
・SNS(Facebook・Instagram・Twitter・line)のアカウント
・スマートホン(携帯電話)に保存された、知人・友人の連絡先や住所等
・デジタル機器(パソコン・スマートホン)に残された、日記・ブログ・予定表
・ネットショッピングの利用履歴やクレジットカードの情報
・インターネットバンキング(銀行)の情報やID・パスワード
・ネット証券の取引データ
等々
(インターネットの普及により、まだ他にも沢山挙げられると思います。)
個人情報が含まれるものから、お金にかかわるものまで、故人としては他人に知られたくない情報が多くあり、
ご遺族にとっては、扱に困るといったケースが多く見受けられます。
ではどう対処すれば良いのか?
様々な考え方がありますので一概には言えませんが、遺品整理士としての立場として
私からは以下がベストではないかと思いますので、ご参考にしてみてください。
【ご本人の場合】
インターネットや本などで、専門家の方がお話しされているのが、データをまとめてフォルダに入れて管理しておく方法や、
HDDやSDカード等の外付け媒体で保存しロックをかける等の方法が有効と言われる事がありますが、
私は生前(終活)の段階で、以下の事をおすすめします。
1.データを「必要」「不要」とに分類する。
パソコンやスマートホンに保存されているデータにつき、不要と判断したデータは忘れないうちに削除する。
必要なデータは最小限にとどめる。
2.エンディングノートを活用する。
エンディングノートは本屋さんでも購入できますし、ご自身でノートにメモする方法でも構いません。
先に紹介したデジタル遺品の状況や情報(電子機器の種類や数・データやID・パスワードを含む)を
エンディングノートに細かく記載しておく。
更に、生前に身内にエンディングノートの存在を知らせておく。(見せる必要はありません。)
アナログな方法と思われるかもしれませんが、残されたご遺族の負担と労力を考えたとき、
いちばんベストな方法ではないかと思います。
【ご遺族の場合】
デジタル遺品はあるものとして想定しておき、見つけた場合は以下の方法をおすすめします。
1.電子データの保存と削除の区分けをする。
電子データの場合、個人情報が特定され悪用される可能性が想定されますので、
相続対象となるお金に関するものとその他のものに分類し、その他に含まれる画像等は
流出を防ぐために、SDカード等で保存し、SNS等は出来るだけアカウント削除の方法をとる。
(《第三者の事後申請》となりますので、場合によっては死亡を証明する書類等が必要になることもあります)
万一、機器本体にパスワードロックがかけられていて、ご遺族では解除できない場合は専門業者に解除を依頼する等の方法を取ります。
(この時、法定相続人全員の同意を求められる場合もあります)
2.機器本体を適切に廃棄処分する。
機器本体の処分については、データ等を削除したとしても、ハードディスクに残され復元されることが想定されますので、
専門業者に処分を依頼し、『消去証明書』をきちんと発行してもらう。
決して他人に譲渡したり、中古ショップで売却しない事。
ご遺族に出来ることは、時間的にも労力的にも限られてる事が想定されますので、
これ以上の事は、ご遺族次第という事になってくるかと思います。
デジタル遺品は、目に留まることは少ないですが、大変大事な事となりますので、
後々対処に困ることのないようにしたいものです。
生前のうちに、ご家族が集まる機会にでも話し合っておく事が必要ではないかと思います。